好きなことで起業するというのは、好きなものを、好きなように売るということでは決してない。
あなたの商品やサービスにお金を払ってくれるのは相手だからね。
ひとりよがりになっている人が多すぎる。あなたは、それが好きで、それを売りたいってのは分かる。そういう商品を作って売り、そういうサービスをしたいから、脱サラして起業したというのもわかる。実際に私も、好きの延長で起業している。だからといって、好き勝手にやっていいってことは全然ない。
この辺りを勘違いしている人が多い。お客さんは、それを欲しいと思うから買うのだ。必要だとか、興奮したから買うのだ。こっちが、これすごいぞ、売れるぞと思っても、それが売れるなんてことはないのだ。
私がどうしても売りたい商品はセールスの上達セミナー。マーケティングはとても大事だが、それと同じくらい、セールスのスキルってのは必要なのだ。だから、何かを売ろうと思っている人は、必ず学ばないといけない技術だと思っている。ところが、これの評判がすこぶる悪い。
こんど、起業始めた人を対象に、セールスの講座をやりま〜すと言っても、誰も集まってくれない。セールスマン向けに、セールスの講座をするとある程度人は集まってくれるのだが、起業家に向けて発信すると、反応がまずない。
そう、セールス＝押し売りや売り込みというイメージがあるからか、それを嫌うのだ。売り込みたくないんです、勝手に売れて行くのがいいんです。好きなモノだから、いいと思ってくれた人が買ってくれたらいいんですって、みな避ける。
ふざけんな、そんなほっといても売れるほど、その商品はすごいのかあって思うが、これに関しては、私が悪いのだ。相手のウォンツにあっていないのだ。セールスのセミナーっていうタイトルだけで、みなサイトから離れていく。それが、いわゆる、自分が売りたい商品を売っているというパターンだ。
もし、私がセールスについての講座を売るとするなら、お客さんが気づいていないニーズを掘り起こすなどの仕掛けが必要だ。マーケティングも大事だけど、セールスも大事だよというのを、自社のコンテンツで根気よく説いていく。セールスという言葉を使わずに、客とコミュニケーションをとる技術をあげようねとか、上手く伝えるという方法も考える必要がある。
そういうことなのだ。
あなたは自分が売りたい商品を売りたいように売っていては駄目なのだ。相手が何を求めているか、あなたの商品が、相手のニーズやウオンツに合致させるためにはどういう仕掛けが必要かというのを考えないといけない。
こうやって、書くと、そんなの当たり前じゃんって思えるが、実際、当事者となると見えなくなっているケースがほとんどだ。思い入れがあると見えなくなるからね、恋は盲目になってしまうのだ。
さあ、今一度、相手の立場にたって考えてみよう、あなたの提供している商品は、それだけのお金を払うだけの価値があるのだろうか。