好きなことや趣味で起業するのはとてもすばらしい。とはいえ、自分よがりになっていては、ものなんてまったく売れないよ
2015/11/14
好きな事や趣味で起業するのはよい。私も大好きなサーフィンや英語やゴルフで起業し身をたてている。大いに賛同するところだ。
ただしだ、この起業法にはただしがつく。あなたが提供する商品やサービスがお客様に求められているかどうかだ。好きなことで起業するとえてしてここを見誤る。私はコレが好きなの、こんなこと毎日やってま〜す、楽しくてしかたないです。
まあいい。苦しくてしかたがないよりよほど楽しいし、度さえ過ぎなければ見てて楽しそうで気持ちがよい。とはいえ、彼らが売っているものを買うかというと、それはまた別の話。ひとりよがりの商品には閉口してしまう。
おもしろい例がある。
私はサーフィンが好きで、それが高じてそれで飯を食っている。中級者向けに、サーフィンの上達に関する独自理論を打ち出し、それをブログで提供してきた。もう10年にもなる。ブログはもちろん無料だが、そのうちその読者のなかから、お金を払うので教えて欲しいというかたがでてきた。
そういうかたが増えてきたので、私は、それを教えることにした。おもに理論とかメソッドを教えていたので、海ではなく、セミナー形式で教えることにした。海で生きているサーファーたちを、東京神田の会議室に集めてセミナーを行なったのだ。結果的に、それがおもしろいと雑誌やテレビから取材を受けることになったのだが、その話はまた別の機会に。
これは典型的な需要ありきで始まっているビジネス。もともと、ビジネスにするつもりなどなかったし、こんなものが商売になるなんて思ってなかった。ただただ、伸び悩んでいる中級者がひとりでも上級者になればなという思いで書いたまでだ。基本的にすきなことなので書けたのだが、結果的に自分のことなんて一切書いていない。
たまに自分がサーフィンに行った時のことをブログの記事にすることがある。自分もサーフィンが好きで今でもやっている。あまりにもいい波にあたると書きたくなる。それで書くのだが、そうすると弟子からクレームがくる。
「師匠、かんちがいしたらだめですよ。だれも師匠に興味がないんです。読者は師匠が提供するサーフィンの上達理論に興味があるんです。いらんこと書かないでください」
と。驚きだが、実際によく考えるとそうなのだ。もともと、どこの馬の骨が書いているかわからないようなブログ。誰が書いているかなんて興味がないのだ。そうだよなあと思っていると弟子は追い打ちをかけるように
「なんだったら、師匠はサーファーでなくてもいいほどです。海に行く暇があるんだったら理論を研究してブログ書いてください」
とまで言ってくる。いやいや、調査しなあかんから海にはいかせてと頼んで、なんとかそれだけは、しぶしぶ納得してもらったけどようはそういうことなのだ。
好きなことで起業すると、えてして、やっちまう。今日の波は最高だったぜ〜、楽しかった〜って。そんなこと読者は興味がないのだ。
もちろん、パーソナルブランディングという形の起業もあって、自分を売ることで、あなたが言うのならということで売れる商品もある。あなたが教えるから聞くんですってのもあるから、どっちがいいかは一概に言えない。
いずれにしても言えるのは、商売は相手がいて始めて成り立つ。これでもかというほどお客様の事を考えないといけないのである。ここを間違えて失敗している人が山ほどいる。
そんなことについて『アディクトマーケティング』では定期的にセミナーを開催している。アディクトマーケティングで相手の心を鷲掴みにしてモノやサービスを売る方法を教えるセミナー興味ある人は是非。